【20代男性(軽度知的障害・発達障害)2級】自分で申請し失敗。再チャレンジ

男性:20代・会社員
傷病名:軽度知的障害・発達障害・うつ病
決定した年金種類と等級:障害国民年金(事後重症)2級
支給月から更新月までの支給総額:約155万円

●ご相談に来た時の状況

経緯は、

  • 中学時代に自閉症スペクトラム障害、高校卒業した頃に軽度知的障害、22歳で抑うつ状態と診断された。
  • ハローワークを通して、職業訓練校に通い、23歳で就職。
  • 次第にストレスが増大し、重篤な抑うつ状態となり、数年後に退職。その後は引き籠りの生活

とのことでした。

ご自分で一度、障害年金を申請されましたが、不支給でした。
それで、今回は専門家に相談した方がよいと、ご家族にアドバイスされ、来所されました。

●弊センターによるサポート

弊センターでは、前回不支給となった原因を分析しました。その結果、

  • 軽度知的障害で障害年金を受給するのは難しいという事実を知らなかったこと
  • 「軽度知的障害」・「発達障害」・「うつ病」の併発に関して、知識が不足していたこと

に気が付きました。

【障害年金における知的障害・発達障害の取扱い】

発達障害は先天性疾患ですが、障害年金の扱いは以下の2つに分かれます。
・知的障害を伴わない場合(概ねIQ70以上)
・知的障害を伴う場合(概ねIQ69以下)

ご相談者の場合、「軽度知的障害」を医師から指摘されていますので、障害年金法上「20歳前障害(国民基礎年金)」扱いとなります。

  1. 初診日は「出生日」となります。
  2. 納付要件は問われません。保険料を納めていなくても受給することができます。
  3. 2級の認定基準を満たさない場合、受給できません。
  4. 年金の加入を要件としていないことから、年金の支給に関して 制限や調整があります。
    詳しくは、こちらをお読みください。
【知的障害や発達と他の精神疾患の併発の取扱い】

知的障害や発達障害のある人に、うつ病や統合失調症が生じた場合等の取扱いは、厚生労働省から以下のように示されています。
<併発傷病の取り扱い>

前発疾病 後発疾病 取り扱い
発達障害 うつ病 「同一の傷病」として取り扱われる。
(初診日は出生日となり、基礎年金の取り扱いとなる)
うつ病
統合失調症
発達障害 診断名の変更
知的障害(軽度) 発達障害 「同一の傷病」として取り扱われる。
(初診日は出生日となり、基礎年金の取り扱いとなる)
知的障害 うつ病
知的障害 統合失調症 前発疾病の病態として統合失調症の病態が出現している場合は「同一の疾病」として取り扱われる。
※診断書等により病態の確認が行われる
知的障害 うつ病・統合失調症以外の精神疾患 前発疾病と後発疾病は「別の疾病」として取り扱う。

<併発傷病の認定基準>
※発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
 
 
以上を踏まえた上で、
ご本人との面談で日常生活における困りごとや気をつけていることを丁寧に聞き取り、病歴・就労状況等申立書に記載しました。
主治医の協力を得て、ご本人の病状(支援がなければ日常生活が成り立たないこと、就労は不可能で状況の好転は望み難いこと等)を正確に記した診断書を提出しました。

●結果

提出後2ヶ月で障害基礎年金2級の受給が決定しました。