てんかん
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1 てんかんの認定基準
てんかんの障害年金申請では、以下の3項目が審査されます。
- 重症度
- 発作頻度(年/月に〇回)
- 発作と発作の間における、てんかんが原因の精神神経症状や認知障害など
【重要】
- てんかん発作は、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって発作が治まっている場合、原則として認定の対象になりません。
- てんかん自体やてんかん発作が原因の高次脳機能障害、抑うつ状態や精神病状態などについては、それぞれの傷病の認定基準で審査されます。
詳しくは当センターにお問い合わせください。
てんかんの症状は、4つの発作に分類されます。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
上記の4つの分類の発生する頻度などで障害年金の等級が決まってきます。
等級 | 発 作 の 状 態 |
1級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の介護が必要なもの |
2級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの |
3級 ※厚生年金の場合 |
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限 を受けるもの |
<等級判定ガイドライン>
平成28年9月1日に認定基準をより具体的に示した 「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」」が発表され、新たに審査の基準となっています。
この等級判定ガイドラインでは、診断書の記載事項である「日常生活能力の判定」及び「日常生活能力の程度」に応じて等級の目安が定められています。
診断書で、おおまかな等級を把握する事ができます。詳しくは「障害等級の目安」(pdf)でご確認ください。
しかし、まったくこのとおりに認定されるわけではありませんので、注意が必要です。
一つの目安と考えてください。
等級判定ガイドラインでは、「てんかん」に関して、下記のように定められています。
- てんかんの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定する。
- 様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
- また、てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
- てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象にならない。
2 てんかんの申請で注意したいこと
ガイドラインにもあるように、
-
過去1年間における下記の事項を主治医に伝え診断書に記載してもらう必要があります。
又、病歴・就労状況申立書にも同様の記載が必要です。- ●発作の発生日時・発作が治まるまでの時間
- ●発作の発生場所:自宅・会社など
- ●発作時の対応:救急搬送、安静観察など
- ●発作の様子
- 転倒した、意識を失った、手足をガクガクした、手足が強直した、手足や口が勝手に動いた など
- 投薬の状況や量に関しても詳細に「診断書」に記載してもらうことが必要です。
- 就労している方は、職場の配慮(高所作業・工作機械操作運転業務の免除など)や仕事の内容(座業かどうか)に関しても詳細に「診断書」、「病歴・就労状況申立書」に記載しなければなりません。
「自分でてんかんで申請したが、認められなかった」と当センターにご相談いただく例も多い傷病の一つです。