【40代男性<うつ病>2級】昇進による仕事のストレスからうつ病に
男性:40代
傷病名:うつ病
決定した年金種類と等級:障害厚生年金2級
支給月から更新月までの支給総額:約510万円
ご相談に来た時の状況
30代の頃16年間勤務していた会社で新工場長に抜擢された。仕事の内容、責任の重さなどから強いストレスを感じるようになった。
肉体的にも精神的にも不調をきたし、抑うつ状態となった。休職と復職を繰り返した。徐々に症状が悪化し、長期自宅療養状態となった。
このまま回復がみられなければ、退職も覚悟しているが、子どもの大学進学や今後の生活が心配で仕方ない。
そのような中、当センターを知りご相談に来られました。
当センターによるサポート
日常生活は自室から出ることも難しくご家族の介助が必要な状況でした。
奥様からお話を伺いました。
うつ状態になられた経緯や現在の生活の様子・困っていることなどを細かく聞き取ったうえで病歴・就労状況等申立書を作成し、申請しました。
途中、「社会的治癒」に関する書類の差し戻しがありました。
申請の段階において元々、「社会的治癒」を念頭においていましたが、どう判断されるか、微妙なケースでした。
初診日が変更され、新たに「受診状況等証明書」「(新しい)認定日診断書」などを取り直し、「病歴・就労状況等申立書」を整備し、再提出しました。
社会的治癒
「社会的治癒」とは、主に障害年金の申請手続きにおいて使われる概念で、医学的には完治していなくても、症状が長期間落ち着き、通院も不要で、通常通りの社会生活(就労など)が送れていた期間がある場合に、過去の病気は一旦治ったものとして扱う考え方です。
この場合、寛解期間の後に症状が再発し、初めて医師の診察を受けた日を新たな初診日として取り扱います。
【社会的治癒を証明するメリット】
- 従来の初診日に受給要件を満たせなかったケース
原則的に、障害厚生年金は障害基礎年金よりも受給額が高くなります。また、障害厚生年金は「3級」の認定があるため、受給の機会が広がります。
以前の病気などの時点では国民年金加入だったために障害基礎年金受給だったとしても、再発後に厚生年金加入に変化していた場合は、社会的治癒を証明することで、障害厚生年金を受給できる可能性が開けます。 - 従来の初診日に国民年金に加入していたケース
以前の初診時に、国民年金保険料を納めていなかったり、支払いが不十分だった場合は、障害年金を申請することができないケースがあります。
社会的治癒が認められれば、以前の病気と再発後の病気は別のものと捉えられるので、再発後の初診日が適用されます。その際に、年金保険料の支払い要件を満たしていれば、スムーズに障害年金の申請をすることが可能です。 - 初診日がかなり前にあって証明が難しいケース
初診日がかなり昔にあって初診日の証明が難しい場合 に社会的治癒が認められれば、障害年金申請のハードルを下げられます。
【社会的治癒が認められる条件】
社会的治癒は 法令上に明確に定義されている概念ではありません。 しかし、過去の判例から以下の3つの条件に該当する場合に認められやすいといわれています。
- 治療の必要がない状態であった
症状が落ち着いていて治療を行う必要がない状態にあった事実を客観的に証明できるかどうかが、社会的治癒を認められる条件の一つといわれています。たとえば医師の指示で通院や服薬を中止したような場合です。経過観察や予防目的の薬物投与を受けている場合も含まれます。
一方、症状が良くなったからと自己判断で服薬や通院を中止した場合には、客観的な証明が取れません。この場合は社会的治癒が認められにくいため、注意が必要です。 - 一定期間、社会生活を問題なく行っていたこと
就労していたり、家事などがスムーズに行われており、社会生活に支障をきたさない状態が一定期間続いている場合も、社会的治癒が認められます。
また、外見上において自身も他者も、病気などが回復したと見て取れる状態であることもポイントです。 さらに、社会的治癒は、上記の状態がおおむね5年以上続いていることで認められます。病気などによっては、5年未満でも可能とされるケースもありますが、精神疾患の場合は病態に波があることから、短い期間での例はあまりありません。
結果
障害厚生年金2級の認定を得ることができました。
「自分で進めていたら、不支給の決定になっていただろう」と大変感謝されました。
本件のように、返戻に対する対応を ご自身で行うのは困難なケースも多々あります。そうした場合は、専門家へのご相談をお勧めいたします。



